2012/4/21
そこはかとなくかきつくります。
その後は、約1時間ほどかけて淡路島を一気に縦断し、大鳴門橋を渡って四国に上陸、徳島県に入ってすぐのところにある目的地『ホテル ルネッサンスリゾート・ナルト』に到着しました。
外観を見るなり、ご入所者様はもちろん同行の職員の方も一斉に歓声を上げるほどの豪華なホテルに僕も密かにニヤリとほくそ笑みました。(心の声:こんなもん、晩めしも朝めしも美味いに決まってるやんけ!)
さてさて、アジアンリゾートを髣髴とさせる1階ロビーにて館内の説明を受けた後はおのおののお部屋に向かいましたが、これまた全室オーシャンビューの素晴らしいお部屋で、みなさま大満足のご様子でした。
お部屋に荷物を置いて一息ついた後は、ホテルの南館1階にある『阿波の国』という遊戯場へ移動しました。そこでは、昔なつかしの遊びや伝統工芸の体験などが出来る屋台がずらりと並んでいました。なつかしい雰囲気にみなさますっかり子供の頃に戻られたかのように、射的やくじ引き、うちわに染料で絵や文字を書いたりと、時間を忘れて楽しまれました。
ひとしきり遊んだ後は、夕食までの時間を利用して、お部屋でゆっくりされる方やお風呂に入られる方など、思い思いに過ごされました。
僕は大のお風呂好きという事もあって、みなさまが『阿波の国』で遊んでおられる姿をある程度カメラに収めた後は、介護チーフという立場をふんだんに利用しつつ他の職員の方にその場をおまかせして、1階の露天風呂と8階の展望風呂と、まずはどちらに入るべきかを吟味すべく下見に行っていました。そして、自由時間になった瞬間はまず1階の露天風呂へと猛ダッシュするのでした。
ところが・ ・ ・僕が露天風呂に浸かろうとした時、お風呂の奥に、今回お一人だけ参加されている男性のご入所者様が同行の男性職員の方と共におられるのを発見して、思わず笑ってしまいました。その方は若い頃から全国の温泉を旅行して来られたという事で、久しぶりの露天風呂につい、ハメを外され、お風呂の横に敷き詰められた芝生に全裸で出られ、僕に写真を撮ってくれとポーズを取られました。他の一般のお客さんがいない事をいい事に撮影した、その時の写真は絶対にお見せできませんが、男三人で爆笑しながら楽しいひとときを過ごさせて頂きました。
お風呂ですっかりリラックスした後は、お待ちかねの夕食です。これが、期待を一切裏切らない鯛づくしのフルコース。ただでさえご飯を食べるのが早い僕ですが、あんまりおいしいもんだから、通常の3倍のスピードでどんどん食べてしまって、次のお料理が出てくるまで悠久の時の流れを感じてしまうといった有様でした。
そんな僕を見かねてか、フルコースだから単純に少し多かったのか、同じテーブルの方が、「私のも食べてや」と、いろいろとお料理をまわして下さいました。僕もお言葉に甘えてお腹がパツンパツンに膨れ上がるほど堪能させて頂きました。
夕食の後は、本場四国の阿波踊りが見れるという事で1階へと移動しました。ホテルに滞在中のお客さんが一斉に押し寄せる会場は踊りが始まる前から熱気ムンムン。おのずとこちらのテンションも上がります。しばらくすると、笛や太鼓や鈴の音とともに踊り子さん達が踊りながら登場し、会場のボルテージは最高潮に達しました。その音色と踊りにつられて、見物している方も笑顔で手拍子したり、大きなかけ声をかけられたり、思わず一緒になって踊りだす人もいました。メルヴェイユご一行様も例外ではなく、踊りもクライマックスを迎えると、車椅子からつい立ち上がって踊りだす方もおられ、踊り子さんのほうから拍手喝さいを受けておられるほどでした。
阿波踊りの興奮冷めやらぬまま、おのおののお部屋と戻られたご入所者様は、後は就寝までの時間を思い思いに過ごされました。僕は、一通り、皆様のご様子を確認させて頂いた後は、今度は展望風呂へと向かいました。展望といいながら、23時ではすっかり夜もふけてしまって、全く海は見えませんでしたので、ゆったりお湯に浸かりながら、“朝一番に起きてもう一回お風呂に来よう”と誓うのでした。
お風呂上りで脱衣所にあった体重計に乗ってみると、一日で2キロも増えていました。ちょっと調子に乗りすぎて食べ過ぎてしまったようで、“明日は「私のも食べて」と言われても遠慮するようにしよう”と誓うのでした。
(その弐に続く)
2011.6.27 2キロ肥えた介護チーフ