2025.11.26

リハビリ部門からの啓発-介護保険第5回-「介護保険と、わたしたちのこれから」

老健 菜乃花 

こんにちは。菜乃花リハビリテーション部門ブログ担当です。

 

前回の記事では、「これからの介護保険と地域づくり」というタイトルで

介護保険とは支えあいの制度になってきているとういことを紹介しました。

 

前回はこちらから

https://www.ontoku.or.jp/blog/%e3%83%aa%e3%83%8f%e3%83%93%e3%83%aa%e9%83%a8%e9%96%80%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e5%95%93%e7%99%ba-%e4%bb%8b%e8%ad%b7%e4%bf%9d%e9%99%ba%e7%ac%ac4%e5%9b%9e-%e3%80%8c%e3%81%93%e3%82%8c%e3%81%8b/


4回にわたって、介護保険の仕組みやサービスの種類、
そして生活のリハビリについてお話をしてきました。

 

制度は難しく見えても、その根っこにあるのはとてもシンプルで温かい考え方です。

 

「人は、人に支えられて生きていく」

支え合うための仕組みとして介護保険があり、
その中で私たち老健リハビリテーション部門も役割を担っています。

 

最終回では、このシリーズの振り返りと、
老健として大切にしたいことをお伝えします。


1.介護保険の本当の目的

介護保険は、介護を「家族だけの問題」にしないためにつくられました。
誰かひとりが背負うのではなく、社会全体で支え合う仕組みです。

 

1回でお伝えしたように、
介護保険は「困ったときにお互いを支える」という公的なやさしさです。

 

高齢になっても、障がいがあっても、
住み慣れた地域で自分らしく生きていく――
そのための後押しこそ、この制度の本質です。


2.多くのサービスがあるのは「生き方の選択肢」を増やすため

2回では、在宅・通所・施設というさまざまなサービスをご紹介しました。

 

これは「介護度に応じたメニュー」ではなく、
「どんな生き方を続けたいか」のための選択肢です。

 

家で暮らしたい、
少しリハビリしたい、
家族と一緒に生活したい、
地域とつながっていたい。

 

その願いに合わせてサービスを組み合わせることで、
人の暮らしはより豊かになります。

大阪市介護保険パンフレットより

https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000596293.html


3.“暮らしを取り戻す”のが介護リハビリ

3回では、医療リハと介護リハの違い、
そして生活のリハビリについて触れました。

 

介護保険におけるリハビリは、
立つ、歩く、食べる、笑う――
生活の中のひとつひとつを取り戻すこと。

 

リハビリテーションの語源は再び(re)+ふさわしい状態へ(habilis
つまり、「その人らしい生活に戻る」こと。
老健リハ部門が大切にしているのも、まさにここです。

2,019年日本作業療法士会啓発ポスター


4.地域は「支え合いの循環」でできている

4回では、地域包括ケアの話をしました。

 

専門職だけでなく、
ご近所さん、家族、友人、地域の行事
その全てが支え合いの輪をつくっています。

 

支えられた人が、今度は誰かを支える。
小さな循環が広がることで、地域はやさしく強くなります。

 

老健は、その循環のハブとして、
地域とのつながりを紡ぎ続けていきます。

公益社団法人 全日本病院協会HPより

https://www.ajha.or.jp/guide/5.html


5.老健リハビリ部門として、これから大切にしたいこと

これまでの内容をふまえて、私たちが大切にしたいのは次の3つです。

 

「その人の生活」を中心に考えること

できる動作ではなく、
その先にある暮らしを支えること。

多職種・地域とのつながりを大切にすること

老健は、中間支援施設だからこそ、
病院・在宅・地域をつなぐ役割があります。

小さな成功を一緒に喜べる関係でいること

立てた、歩けた、食べられた。
その一つひとつが、本人にとっては大切な人生の前進です。

 

リハビリは、動作の練習で終わりません。
その人の「生きる力」が戻っていく過程を、共に歩む仕事です。

2024年日本理学療法士協会啓発ポスター


まとめ:支え合う気持ちが、未来を明るくする

介護保険は「高齢者のための制度」ではなく、
私たち全員の未来を支える仕組みです。

 

今は支える側でも、
いつか支えられる側になるかもしれない。
そしてまた、誰かを支える側に戻るかもしれない。

その循環の中で、地域は育ち、
人は安心して暮らすことができます。

 

老健リハビリテーション部門として、
その一端を担い、役割を果たしながら
これからも地域とともに歩んでいきます。

 

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