2020/3/28
今週の活動は何があるでしょう!楽しみにしまっす!🤔🤔🤔
こんにちは。菜乃花リハビリテーション部門ブログ担当です。
前回は肺炎と男性の関連について少し紹介しました。
前回はこちらから
― 気づかれない誤嚥(不顕性誤嚥)の怖さ ―
「誤嚥(ごえん)」という言葉を聞くと、
多くの人がまず思い浮かべるのは、
【むせる】
だと思います。
確かに、むせるのは誤嚥の一つのサインですが、
誤嚥のすべてがむせるわけではありません。
むしろ高齢者の場合、
気づかれない誤嚥(不顕性誤嚥)の方がずっと危険で、
肺炎発生の大きな要因になります。
今回はその見えにくい誤嚥について、
簡単に解説していきます。
1. 誤嚥とは何か?
誤嚥というのは、
本来「気管に入ってはいけないもの」が
気管や肺に入ってしまうことをいいます。

ここで勘違いしやすいポイントがあります。
誤嚥=むせる ではない
むせるのは、喉に入ったものを
強制的に外に出そうとする反射です。
しかし全ての誤嚥がこの反射を起こすわけではありません。
2. 不顕性誤嚥とは?
不顕性誤嚥(silent aspiration)は、
まさに「むせない誤嚥」です。
本人がむせたり自覚したりしないまま、気道や肺に入り込む状態。
日常生活の中で
・食べ物の微粒子
・唾液
・胃の内容物
こんなものが、静かに肺へ入ってしまうことがあります。
この状態は非常に気づきにくく、
誤嚥性肺炎の最大のリスク要因の一つです。
3. なぜ不顕性誤嚥が増えるのか
高齢者において不顕性誤嚥が増える背景には、次のような生活機能の変化があります
①咳反射の低下
年を重ねると、
異物が気管に入ったときの防御反射が弱くなります。
そのため「むせない」まま誤嚥が起きやすくなります。
②嚥下(えんげ)機能の低下
食べ物を飲み込む力やタイミングは、
とても微妙で繊細な機能です。
この機能が弱くなると、
本来は安全に飲み込めるはずの食べ物が
気道に入り込んでしまうことがあります。
③呼吸・姿勢の変化
浅い呼吸、姿勢の崩れ(前かがみ、仙骨座りなど)は、
食べ物が「肺」ではなく「胃」に入るべきタイミングを乱します。
これも不顕性誤嚥の背景になります。

誤嚥しづらい姿勢
4. 誤嚥が“静かに肺炎を誘発する”仕組み
不顕性誤嚥は本人や周囲が気づきにくいまま進みます。
気道や肺に物質が入り込む →
その場ではむせない →
肺の中で炎症が起きる →
ゆっくり体の免疫が反応する →
やがて肺炎として表面化する
このプロセスは、
むせるような一瞬の出来事ではありません。
日々の生活の中で少しずつ進行するのです。
だからこそ、
むせないから安心、という認識は危険です。
5. では、誤嚥はどうやって見つけるのか
誤嚥を完全にゼロにすることは難しいですが、
以下のようなサインを日常から意識することが大切です。
・食後にぜーぜーする
・呼吸が乱れる
・食後の微熱が続く
・食欲の低下
・体重の減少
・声が濁る
これらは「むせとは違う形の誤嚥のサイン」です。
生活の変化として捉え、注意深く支援することが重要です。
まとめ
誤嚥は、むせることだけを指すわけではありません。
特に高齢者では、
むせない誤嚥(不顕性誤嚥)が多く、
それは肺炎の大きな因子になっています。
誤嚥が静かに進むということは、
回復までの時間が長く、
再発のリスクを高めるということでもあります。
これを踏まえて、次回では
口腔ケアがなぜ肺炎予防にとても大切なのか
というお話に進みます。
今回の内容は
一般社団法人日本呼吸学会
啓発冊子「ストップ!肺炎」を参考にしています。