2020/9/24
5F 敬老の日
こんにちは!菜乃花リハビリテーション部門ブログ担当です。
前回の一本杖に続き、今回は多脚杖を使った歩行訓練のご紹介です。
多脚杖は、自立する構造を持ち、一本杖よりも広く体重を支えることができる杖です。
以前は4つ足タイプが主流で、ご家庭ではやや扱いづらい印象もありました。
しかし現在では、丸型の可動式の杖先にゴムが付いたタイプも登場し、
地面の状態や使う方の力の入れ具合に応じて、しなやかに可動する仕様になっています。
今回のモデルとなった利用者様は、
「右膝が内側に入ってしまって格好悪い」「歩きづらい」「長く歩けない」
といったお悩みをお持ちでした。
右膝が内側に入っており、つま先のラインよりも内側になっているのがわかります。
この状態では、足を出すときも支えるときも、ふらつきが起こりやすくなります。
踏み出すときに、体幹が十分に足に乗っておらず、効率的な歩行ができません。
エクササイズ:踏み出す・支える動きを整える
平行棒内で、以下の練習を行いました。
① 踵で床を叩く練習(ヒールコンタクト)
→ 踏み出す瞬間の重心移動を意識するためのエクササイズです。
② 足の上に体幹を乗せる練習(荷重移動)
→ 一番体重がかかる瞬間に、お腹と腰が足の上に来るように体をコントロールします。
After:姿勢と動作が変化
勿論これ以外にも
足自体が柔らかく大きく動くような練習や
筋力の少ない部分に特化したトレーニング
呼吸法のトレーニングなど
色々とやってはいますが、
主に歩行に直結する練習はこの2つが中心です。
では姿勢を見てみましょう
After(後ろから)
膝の位置がまっすぐに改善され、ふらつきが大幅に軽減しました。
After(横から)
お腹・腰・膝・足が一直線に並び、安定感のある立脚が実現しています。
おわりに:多脚杖の効果を最大限に引き出すために
いかがでしたでしょうか
多脚杖は「安定感を補うための道具」ですが、身体の使い方が変わることでその効果もさらに高まります。
リハビリの中で、ほんの少し意識を変えるだけでも歩き方は変化します。
お困りのことがあれば、ぜひリハビリスタッフにご相談ください。