2021/12/5
インフルエンザ予防接種について
~ノロウイルス対策について~
朝晩の冷え込みが厳しくなり、空気が乾燥する時期になりましたが体調はいかがですか?
空気が乾燥すると、普段は水分の重さで下に落ちている病原体が容易に空気中に漂い、口から入って感染します。そのため乾燥する冬は感染しやすい環境となります。
また、この時期心配なのが、感染性腸炎です。その中でもよく耳にするのが、子供から大人まで幅広く感染する「ノロウイルス」。
今回はこのノロウイルス対策についてご紹介します。
*ノロウイルスの感染経路*
1.経口感染
ノロウイルスに汚染されたカキやシジミ、ハマグリなどの二枚貝を生、あるいはよく加熱せずに食べた場合に起こります。また調理者や配膳者が感染していて、ノロウイルスに汚染された手指で触れた食材を食べることでも起こります。
2.接触感染
ノロウイルス感染者の便や嘔吐物にはウイルスが含まれています。感染者の便や嘔吐物に直接触れて手指がノロウイルスに汚染されると接触感染が起こります。接触感染は排便後に十分手を洗わずに触れたトイレのドアノブなどを介しても起こりますので、注意しましょう。
3.飛沫感染・空気感染
感染者の嘔吐物が床に飛散した際などに、周囲にいた人がノロウイルスの含まれた飛沫を吸い込むことで起こります。また感染者の嘔吐物が乾燥すると、付着した埃とともに空気中を漂います。それを吸い込んだり、体に付着して最終的に口の中へノロウイルスが侵入することで起こります。
*ノロウイルスの主な症状*
主な症状としては悪心、嘔吐、下痢、腹痛、発熱があげられます。また、悪寒や筋痛、咽頭痛を伴うことがあります。潜伏期間(感染から発症までの期間)は24~48時間と考えられています。通常は軽症であることが多く1~2日で症状の改善がみられますが、まれに重症化して入院治療を要することがあります。
*ノロウイルスの感染対策*
●外出後、食前、トイレの後などはしっかり手を洗う
感染力が非常に強くアルコール消毒剤にも抵抗力があるため、流水と石鹸での手洗いが効果的です。汚染を拡げないために流水と石鹸での手洗いを徹底しましょう。
●食品をしっかり加熱する
ウイルスは熱に弱いため、加熱調理は有効な手段のひとつです。生ガキなどの二枚貝を非加熱で摂取するとノロウイルスに感染することがあるため、しっかり加熱してから摂取してください。また調理道具の手入れも大切です。まな板、包丁など十分に洗浄するようにしましょう。熱湯による加熱(85℃で1分以上)が有効です。
新型コロナウィルス感染症予防から、手指アルコール消毒が日常の習慣として定着するようになりましたが、11月から2月にかけての冬場に発症が目立つ感染性胃腸炎の原因となるノロウィルスにアルコール消毒が効きにくいといわれています。手指消毒はもちろん、念入りな手洗いを心がけ、今回紹介した内容を意識し、感染対策をしっかり行って良い新年を迎えましょう!
看護部より