2025.08.20

リハビリ部門からの啓発:認知症について第6回「困った時、誰に相談すればいいの?」

菜乃花 老健 

こんにちは、菜乃花リハビリテーション部門ブログ担当です。

 

前回は「困った行動。困っているのは誰でしょう?」という題名でBPSDについてお話ししました

 

前回はこちらから

https://www.ontoku.or.jp/blog/%e3%83%aa%e3%83%8f%e3%83%93%e3%83%aa%e9%83%a8%e9%96%80%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e5%95%93%e7%99%ba%ef%bc%9a%e8%aa%8d%e7%9f%a5%e7%97%87%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e7%ac%ac5%e5%9b%9e%e3%80%8c/

 

今回は「相談窓口」について少しお話します。


① 一人で抱え込まない。「つながる」ことの大切さ

認知症の方と関わる中で、
「これって普通のこと?」「どうしたらいいかわからない…」と感じたことはありませんか?

 

ご家族や周囲の方も、答えのない問いに向き合うことが多く、
気づけば、自分自身が疲れ果てていたり、孤独を感じていたりすることもあります。

 

誰かに「つながる」ことは、決して恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。

 

悩んだ時には、声を上げてみてください。
そこには、あなたを支えるための手が、きっとあります。


② どこに相談できる?

認知症に関する悩みや不安を抱えたとき、頼れる場所は一つではありません。
相談内容やタイミングによって、役立つ窓口はさまざまです。

■ 医師・かかりつけ医

・最近の様子の変化について、医学的な視点から見立ててもらえる

・認知症の診断や、薬の調整、他の疾患が影響していないかの確認

・必要があれば専門機関(認知症疾患医療センターなど)への紹介も可能

「こんなこと、病院で聞いてもいいのかな?」と思わず、気軽に一言相談してみましょう。

■ 地域包括支援センター

地域で暮らす高齢者の総合的な支援窓口です。

・介護や福祉に関する情報提供・助言

・本人だけでなく、家族の相談も対応可能

・必要に応じて、ケアマネージャーやサービス事業所との連携を図る

・状況に応じた支援制度の紹介や、申請手続きのサポートも

「どこに相談すればいいか分からない」その段階でもOKです。最初の相談先として、とても心強い存在です。

東淀川区地域包括支援センターホームページより

https://www.hohoemi-kushakyo.or.jp/koureisya-shien

■ ケアマネージャー(介護支援専門員)

要介護認定を受けた方には、ケアマネージャーがつきます。

・日々の生活に合わせた支援計画(ケアプラン)を一緒に考える

・デイサービスや訪問介護など、具体的なサービスの提案・手配

・利用者やご家族との面談を通じ、状況に応じた柔軟な対応をしてくれる

身近な相談相手として、**「生活の調整役」**として大きな役割を担ってくれます。

■ 利用施設スタッフ(認知症ケア専門士など)

施設をご利用中の方は、そこにいるスタッフが心強い味方です。

・日々の様子を見ているからこそできる細やかな助言

・ご家族の不安にも丁寧に耳を傾け、状況に応じた説明が可能

・認知症ケア専門士など、専門知識をもつスタッフも在籍しています

「こんな小さなこと聞いていいのかな…?」と思うようなことでも、ぜひ声をかけてください。


③ 相談は “選択肢を増やす”こと

「迷惑じゃないかな?」「大げさに思われないかな?」
そう思って、つい相談をためらってしまう方も少なくありません。

ですが、悩みを口にすることは、決して“迷惑”ではありません。

むしろそれは、より良いケアにつながる**“選択肢を増やす行動”**です。

〇相談することで見えてくること

・自分では気づかなかった視点からのアドバイスがもらえる

・状況を共有することで、「わかってもらえた」という安心感が生まれる

・家族だけで抱えていた不安を、周囲の専門職と分かち合うことができる

一言「実はちょっと…」と伝えるだけで、支援の糸口が見つかるかもしれません。

〇こんなことでも相談していい?

・「薬、ちゃんと飲めてるか不安」

・「同じ話ばかりで、どう対応すればいいのか…」

・「施設利用を考えた方がいいのか迷っている」

もちろんです。どれも立派な“相談”です。

些細に見えることでも、積み重なればご本人もご家族も疲弊してしまいます。


④ 支える人も、支えられていい

認知症のあるご本人を想い、日々関わっているご家族や支援者の皆さん。
その気持ちはとても尊く、大きなエネルギーを使うものです。

ですが──
「支える側」も、疲れてしまうことがあります。

・思うように伝わらない

・繰り返す行動に苛立ってしまう

・正解のない対応に、不安や自責の念を抱いてしまう…

そんな気持ちになったときは、あなた自身が支えられる番です。

〇「自分も助けを借りていいんだ」と思えること

支援する立場の人が、相談をすること、誰かに頼ることは、

**ご本人を想うからこその“選択”**です。

周囲の人や専門職に少しだけ気持ちを預けることで、

気持ちに余裕が生まれ、結果としてより良い関わりにもつながります。

〇ひとりで抱えないこと、それが長く続けるコツ

認知症ケアに「完璧」な対応はありません。

その日その時の関わり方で、また明日を迎える。

その積み重ねが、その人らしい暮らしにつながっていきます。

無理をせず、心がすり減る前に、どうか周りに助けを求めてください。

その一歩が、ご本人にも、そしてあなた自身にも、やさしい明日を連れてきてくれるかもしれません。


次回は第7回として「認知症初期集中支援チームとは?」を予定しています。

例として認知症かも?と相談した後のお話として早めに動いてくれる支援チームをご紹介します。

Related

関連記事

  • 2021/9/1

    誕生日

  • 2024/10/17

    🌰10月16日 お誕生日献立🌰

  • 2021/10/21

    音楽

New

新着記事

  • 2025/8/20

    リハビリ部門からの啓発:認知症について第6回「困った時、誰に相談すればいいの?」

  • 2025/8/18

    🌼8月18日 長寿ご飯の日🌼

  • 2025/8/16

    🗾私たちの施設に新たに仲間入り🗾

ブログTOP

Contact

施設やサービスについてご不明な点がございましたら
こちらからお問い合わせください。