2023/10/28
~10/28 長寿ご飯の日~
こんにちは。菜乃花リハビリテーション部門ブログ担当です。
前回は「調整で“座り心地”は変化する」
というお話で車椅子のフィッティングのお話を軽くさせていただきました。
前回はこちらから
― 「座る・過ごす・動く」を、生活として支える ―
ここまで4回にわたって、
車椅子についてお話してきました。
・車椅子は「暮らしの一部」であること
・合わない車椅子が身体に与える影響
・正しい選び方の考え方
・クッションや背張り、足台の調整の大切さ
これらはすべて、
「その人の生活をどう支えるか」という一つの問いにつながっています。
最終回では、
リハビリテーション専門職が
どのような視点で車椅子支援を行っているのかをお伝えします。
1. 老健における車椅子は「一時的な道具」ではない
老健は、
病院と在宅生活をつなぐ“中間施設”です。
そのため、車椅子は
「一時的に使うもの」
「とりあえず移動できればいいもの」
として扱われがちです。
しかし実際には、
老健で過ごす時間の中で
車椅子は生活の中心になる場面が多くあります。
・食事
・リハビリ
・レクリエーション
・面会
・日中のくつろぎ時間
だからこそ私たちは、
「とりあえず座れる」ではなく
「安心して過ごせる」車椅子
を大切にしています。
2. リハビリ職が見るのは「姿勢」だけではない
車椅子を見るとき、
私たちはサイズや角度だけを見ているわけではありません。
・表情はどうか
・呼吸は楽そうか
・食事中にむせていないか
・長く座ったあとに疲れていないか
・「楽」「しんどい」と言葉が出ているか
姿勢は、生活の結果として表れるものです。
背中が丸い、体が傾く、足が落ち着かない。
それは「姿勢が悪い」のではなく、
生活環境が合っていないサイン。
リハビリ職は、
身体と生活の両方を同時に見ています。

3. 多職種で支える「座る生活」
老健での車椅子支援は、
リハビリ職だけで完結しません。
・介護職:日常の座位・移乗・過ごし方
・看護職:痛み・皮膚状態・体調
・管理栄養士:食事姿勢と摂取状況
・ケアマネジャー:在宅復帰後の生活
・ご家族:その人らしい過ごし方
それぞれの視点が合わさって、
初めて「安心して座れる生活」が成り立ちます。
車椅子は、
多職種をつなぐ“共通言語”でもあります。
4. 「できる動作」より「続けられる生活」
リハビリというと、
「どこまで歩けるか」
「どれだけ立てるか」
に目が向きがちです。
もちろんそれも大切です。
しかし老健では、
“できること”より
“続けられること”を重視します。
・無理なく座れる
・食事が安全にできる
・疲れすぎない
・その人のペースで過ごせる
車椅子が整うことで、
生活は静かに、でも確実に安定していきます。
5. 車椅子支援の先にあるもの
車椅子を整えることは、
ゴールではありません。
それは、
・活動量を増やすため
・会話を増やすため
・食事を楽しむため
・在宅生活につなげるため
生活を広げるための“土台づくり”です。
私たちは、
車椅子を通して
「その人の一日」を整え、
「その人の生活」を支えたいと考えています。

まとめ
車椅子は、
ただの移動手段ではありません。
それは、
その人が“どう座り、どう過ごし、どう生きるか”を支える環境です。
老健リハビリテーション部門は、
これからも
・座る
・過ごす
・動く
このすべてを生活として捉え、
一人ひとりに合った支援を続けていきます。
シリーズをご覧いただき、ありがとうございました
この車椅子シリーズが、
利用者・ご家族・支援に関わるすべての方にとって、
「座ること」を見直すきっかけになれば幸いです。
今回の内容は
公益財団法人テクノエイド協会 HP
https://www.techno-aids.or.jp/
を参考にしています。