最近、「ヘルスコミュニケーション」の重要性が指摘されるようになりました。
“ヘルスコミュニケーション”って何?
難しそうに思いますが、
簡単に言うと「心機一転、健康的な生活に切り替えるぞ!!」という決断、
すなわち意思決定を促すきっかけとなる情報を提供し、
その決断を持続させて日々の行動を変えて、
結果的に健康的に生活のスタイルを身につけていくコミュニケーション戦略と
言っていいでしょう。
循環器の病気は、この対策ではとても大切です。
循環器病をもたらす危険因子は、食生活・運動・喫煙などの
日々のライフスタイルを見直し、改善し、それを続けることによって
予防をすることになるからです。
循環器病となる嗜好品
運動や食事、飲酒などの生活習慣は、高血圧・糖尿病・脂質異常といった
生活習慣病や、種々の心臓病や脳卒中などの循環器病に強く関係しています。
≪アルコール≫
アルコールは、たくさん飲むと血圧は上昇します。
アルコール自体は血圧への影響は小さいようですが、
飲みすぎはそれ自体が血圧を上げるとともに、
降圧剤の効果を低下させてしまいます。
動脈硬化の人は、少量なら利点もあります。
お酒の中のポリフェノール(抗酸化物質で動脈硬化を防ぐように働く)は
善玉コレステロールを増やしてくれます。
ただし、飲みすぎはよくありません。
長期間の大量飲酒は、心肥大や機能低下をもたらし、
心筋症や心不全の原因となります。
≪たばこ≫
たばこには、ニコチンやタール、一酸化炭素など多くの有害物質が
含まれています。
ニコチン ・・・たばこの主成分。
脳に「快感」をもたらす作用があるため、
依存症の原因となります。
タール ・・・発がん性物質が多く含まれています。
一酸化炭素・・・動脈硬化を促進させる作用があると言われています。
したがって、たばこは百害あって一利なしなのです。
≪コーヒー、茶、ココア≫
コーヒー、茶、ココア(チョコレート)もいろいろな物質を含んでいます。
これらはカフェインの他、ポリフェノールを多く含んでいますので、
循環器病の予防や治療にいくらかは良い影響があるようです。
◆コーヒー◆
コーヒーを飲むと血圧を上げるようですが、コーヒーをたくさん飲む人の方が
脳梗塞は少ないそうです。
脂質代謝もコーヒーはコレステロールを軽く上げますが、
悪玉コレステロールの酸化を抑える効果もあります。
糖代謝についても、コーヒー常飲者は糖尿病になりにくいようです。
コーヒーと言うと、なんとなく体に悪いような印象がありませんか?
でも、少なくとも循環器病にはあまり害はなく、むしろ良い影響が
期待できるようです。
◆お茶◆
飲むと間もなく血圧を上昇させます。
カフェインだけよりも上昇圧は大きいようです。
茶の常飲者は糖尿病になりにくいことや動脈硬化が軽い事が報告されています。
脳卒中もよく飲む人は飲まない人と比べて2割程度少ないようです。
お茶を飲む事は、循環器病には良いようです。
循環器病の予防管理にあたって
これらの嗜好品について正しく理解し、正しい知識を持ってうまく付き合ってください。