
(元旦 初詣の様子)
『如来大悲の恩徳は、身を粉にしても報ずべし』
やまさき白寿園の玄関に掲げているこの言葉は、当法人、社会福祉法人 恩徳福祉会の基本理念です。
新年にあたり、この基本理念について少しお話をさせていただきます。
ベトナムの高僧、ティクナット・ハンは次の有名な言葉を遺しています。
「あなたは、ここにある白い紙の中に、ポッカリ浮かぶ白い雲が見えますか?」
分かりやすく言い換えると、
「白い雲なしに、この一枚の白い紙は存在することができますか?」
ということです。
一枚の白い紙は、紙になる前は木、樹木として存在していました。
樹木には水が欠かせません。
その水は何処から来たのか?
ポッカリ浮かぶ白い雲なしには、一枚の白い紙は存在しないのです。
でもそれだけではありません。
木を切る樵のエネルギー、運搬するトラックの運転手のエネルギー、また太陽のエネルギー、その他様々なエネルギーなしでは一枚の紙はここに存在できないのです。
すべての物質は関わりあって、今、ここに存在するのです。
単独で勝手に存在しているものなどない、一枚の紙の中にさえも、さまざまなエネルギーが存在しているのです。
* * * * * * * * *
私たち人間は、ややもすると自分は一人で生きているんだ、自分は自分の力で生きているんだと考えてしまいますが、よくよく考えてみると、実にさまざまな恩恵や犠牲の上でこの命を保つことが出来ているのです。
お父さん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃん、そしてご先祖様からの慈愛。
それから昨夜食べた食事を思い出してください。
お肉やお魚、それぞれに精一杯生きていた動物の命が犠牲になっているのです。
野菜も、大地に根付いてしっかりと生きていたのです。
それだけではありません。
太陽や空気、その他いっぱい、いっぱいのおかげなのです。
こうやって考えると、自分は生きているのではなく、『生かされている』ということに気づきます。
だから、人のため、社会のためにこの生かされている命を役立てなければならないんだよ、という意味がこの基本理念に込められています。
介護保険を取り巻く環境は年々厳しくなってきております。
しかし、この基本理念を胸にやまさき白寿園は介護サービスの向上に努めて参りますので本年もよろしくご支援を賜りますようお願い申し上げます。