私は長い間看護師として働いてきましたが、
病院での勤務経験が90%だった私には、
訪問看護という特殊性を理解していませんでした。
看護師という仕事は、多様性がある事はわかっていましたが、
病院と在宅での看護師の仕事が大きく異なる事を此処に来て実感しました。
勿論病院での経験が、訪問看護師に不要かというと、決してそうではありません。
病院でつちかった各疾患の看護をベースにする事は言うまでもないのですが、
基本、在宅での対象は疾患の患者と言うよりは、疾患を持っている人、
その人が望む看護というものを提供していく必要があります。
疾患にとらわれ過ぎると人が疎かになりがちです。
特に高齢な対象者だとその方の人生の終焉に対する看護と言う、
病院では抜け落ちている大きな事由にアプローチして行かなければなりません。
関わる看護師自身がしっかりした人生観・死生観をもって、尊厳を重視した関りを
実施して行かなければなりません。看護師は、人生の先輩である高齢者の
人生の終焉の良しあしを決めるかもしれないと自覚しておかなければならない
医療従事者としての重責は、言うまでもありません。
そんな学びを此処で出来た事、感謝するとともに看護師の仕事の奥深さに自身の
未熟さを痛感しています。