2011.07.01

介護チーフより   ~嗚呼、一泊旅行記 その弐~

メルヴェイユ 入所/ショート その他 

  お風呂から上がった僕は、お風呂場を出たところのソファに座ってコーヒー牛乳を飲みながら、そのままウトウトと1時頃まで寝てしまっていました。右手に握っていたコーヒー牛乳は奇跡的にも一滴もこぼれていませんでした。 (心の声:これはいい事があるに決まってる!明日は思いっきり晴れるんちゃうかな。)  お部屋に戻り、フッカフカのベッドに滑り込みました。  夜中3時頃、なんとなく声が聞こえるなぁとぼんやりと思っていたら、枕元に人影を感じて “ハッ!”としました。 同じ部屋のご入所者様が僕に向かって 「奥さん、奥さん、私どこで寝たらよろしいんですか?」 と話しかけておられたのです。ご自分でトイレに行かれてご自分のベッドがわからなくなってしまったようでしたので、 「ここですよ」 とお伝えすると、笑いながら 「すいませんねぇ。」 と言われました。ほどなく、その方はお休みになられましたが、僕は心臓がバクバクしてしばらく寝つけませんでした。  しかし、どこからどう見ても純度100%おっさんの僕に向かって、「奥さん」 と話しかけておられたのが、後から思い返してみても笑ってしまいます。  朝6時に目覚ましをかけていたはずでしたが、気付いたのは6時30分。それでも朝が弱い僕にしたらすんなり体を起こせたほうです。それはひとえに、前日の夜、展望風呂から全く海が見えなかったために、“絶対に朝風呂に入ってやろう”と心に誓ったからだと思います。で、さっそく、展望風呂に入ってびっくりしました。  外はすっかり暴風雨。海は展望出来ましたが、その海は荒れ狂っていました。  雨は見てみぬふりをして、朝ごはんです。ホテルの朝ごはんと聞いて、テンションが上がるのは僕だけではないはずです。実は僕がこの旅行で一番期待していたのがこの朝ごはんだったわけですが、その期待を、この 『ホテル ルネッサンスリゾート・ナルト』 の朝ごはんは300%を超えていました。和食と洋食の混在したバイキングで、まぁ何を取ってもおいしいことおいしいこと! 昨晩の体重計のショックなどどこ吹く風とばかりに、食べて食べて食べまくってやりました。僕が35年と6ヶ月生きてきた中でもベストと言っても過言ではない朝ごはんでした。
 朝ごはんが済んだ方から身支度を整えて、1階ロビーで集合。 チェックアウトを済ませたら、いよいよ観光地へ向かうのですが、外はあいにくの雨。それでも 『うず潮観光フェリー』 出航するとの事でしたが、 『イングランドの丘』 は散策がメインなので、ちょっと止めておいたほうがいいかなという事になりました。  そこで、みなさまにお聞きすると、なんと全員がフェリーとの事で、なんともチャレンジャーなメンバーが揃ったもんだとびっくりしました。雨の場合は 『大塚美術館』 というところもあったんですけどね、全員が荒れ狂う海に出たいという結論でした。  行き先が決まったところでホテルを後にして、車で淡路島・福良港まで移動です。向かう道中、だんだん雨が強さを増し、“ほんまにフェリー大丈夫なんかな” と不安になりました。  港に到着。フェリー乗り場でみなさまに雨ガッパを来て頂き、雨の中、フェリーに乗り込んで頂きました。鳴門のうず潮は大鳴門橋の真下付近で発生するらしく、橋の下まではフェリーの中で雨を凌げるのですが、実際に橋の下まで来たら、甲板に出ないと見れないとの事で、“この雨の中、甲板なんかに出て危ないんじゃないかな” とますます不安が募りました。  僕のそんな不安をよそに咸臨丸は、大鳴門橋を目指して荒れ狂う波を切り裂いてゆきました。ほどなく、橋の下まで到着した咸臨丸の乗組員の屈強な男たちは、甲板に出る事を僕たちに指示。やむなく僕たちは甲板へと出る事になりました。荒れ狂う波に揺られ、大きく傾いた船体の甲板で、容赦なく雨風が僕たちを襲います。  そんな状況で不安を隠しきれない僕でしたが、メルヴェイユご一行様はほぼ爆笑に近い笑顔ですごく楽しんでおられました。その笑顔に僕の不安も一気に吹き飛び、知らないうちに爆笑していました。悪天候のためか、うず潮は発生していませんでしたが、みなさまには思い出に残る体験をして頂けたのではないかと思いました。  フェリーが港に戻ると、次は車で 『大鳴門橋記念館』 というところに移動。到着する頃には雨は止んでいました。記念館のレストランで昼食を頂きました。また、その昼食の量が一人前ですら多かったのですが、僕の周囲の席の方がどんどん僕にお料理を分けて下さるものですから、またお腹がピンピンに膨れ上がってしまいました。お刺身が串に刺してあって、それをお鍋でしゃぶしゃぶして食べるのですが、一人につき7本のはずが、最終的には37本も食べてしまっていました。2キロ増加を受けて、“「食べてや」 と言われても遠慮しよう” と前の日に誓ったはずなのに、結局断りきれずにやってしまいました。でもおいしかったからちょっぴり得した気分でした。  昼食が済んだら、高速道路に乗って施設へと戻って行きました。淡路S.A.での休憩を挟んで、約2時間ほどで施設に到着。帰りの車中はさすがにみなさまお疲れになられたのか、ウトウトと休んでおられました。  車から降りる際には、みなさま口々に 「ありがとう。よかったわぁ。」 と笑顔で言って下さいました。特に何事もなく、無事に帰って来れてほっとしました。  今回は一泊旅行という、メルヴェイユ吹田初めての試みだったのですが、行程的にも同行職員の人員的にもかなり余裕を持って出来た事が、参加されたご入所者様の笑顔につながったと思います。今回の企画を次に活かし、出来るだけたくさんの方に一泊旅行を楽しんで頂きたいと思いましたので、今後も継続していきたいなぁと考えております。  参加して頂きましたご入所者様、参加を快諾して下さいましたご家族様、同行して頂いた職員の方々、ご協力下さいました青山シニアトラベルのGo Toさん、本当にありがとうございました。  ちなみに僕は二日間で3キロ肥えました。                     2011.6.27 断れない介護チーフ

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